「仕事が早い」とよく言われます。これは今に始まったことではなく、そもそも経理部出身なので、月次決算という絶対の締め切りがあるため、どうやったら早く終わるだろうかと、若い頃からいつも考えながら仕事をしてきました。
また、仕事のほとんどは、過去にやったことの繰り返しだと思っています。むろん、当事者はそれぞれ異なりますし、その仕事の内容も多少は違うでしょうが、以前やったことがある仕事とその進め方は同じです。あるいは、過去にやったいくつかの仕事の組み合わせになります。

したがって、一度やった仕事は、自分の「パターン」としてアーカイブに保存しておくことです。 そして、新しい仕事があるときに、それらを応用して、複数を組み合わせたり、一部を改良して利用していけばよいのです。自分が過去に経験した仕事をアーカイブ化するためには、きちんとまとめておくことが必要です。
自分がやった仕事を自己評価し、「次にやる時はこうするぞ」と振り返ることです。 そうしたレビューをもとに、自分でレポートやマニュアルを作成し、アーカイブとして残しておきます。
アーカイブのデータが5年、10年、20年と積み重なっていくうちに、それらを引き出して複数を組み合わせることで、仕事の進め方は自然と決まっていきます。

仕事をする時に、いちばん時間がかかっているのは何でしょうか。実は、「考えている時間」です。何を考えているか、それは、どうやって仕事を進めるか、どのようにレポートを書こうか、いわゆる「How」についてあれやこれやと考えているのです。それは、不安に感じたり、「誰かに影響しないか」「こうすればダメかもしれない」などと考え続けてしまうことです。
もし、積み重ねのアーカイブがあると、そこから、「How」を引き出せるのです。今回はこうしよう、これとこれの組み合わせか、という具合にやり方がさっさと決まるのです。あとは、集中して作業を進めるだけです。

ですから、私が仕事が早いとよく言われる原因は、あれこれとあまり考えていないからだと思います。つまり考える必要がないのです。瞬時に「ああ、これとこれ、これでもいいな」と過去のサンプルが出てきます。あとは、仕事はすべて作業になります。
もちろん最初の段階で、どのような仕事の仕方をするかについてはきっちりプランを立てますし、受け止める相手がどのようなものを望んでいるのかも、十分に研究します。それらを踏まえた上で、一度やり方が決まれば、あとはやるだけです。
ただやるだけですから、作業になります。作業は、できるだけ早くやること、集中してやることです。時間を取られる大きな原因の1つがこうした『考えている時間』です。そしてもう一つあります。それは次回のブログでご紹介します。
