全く自分と同じ情報と同じ環境があれば、多くの場合、相手は同じ判断をするのではないでしょうか。こう考えたことはありませんか。
これは仕事にも当てはまります。会社組織の中で、自分が持っている情報や置かれている環境を共有すれば、私の経験では、約80%は同じ結論に至るのではないでしょうか。
残りの20%の違いは、その時の状況や個人の経験によって生まれます。同じ情報を与えても、過去の経験や知識によって判断が変わる場合があるのです。ただし、これはそれほど多くないケースだと思っています。

この話が何に通じるかというと、投資案件やプロジェクト案件がある場合、取締役や社長などのステークホルダーへ説明しなければなりません。そのとき、どう説明すればよいのか、皆さんもいつも悩んでいるのかもしれません。
私は基本的に「同じ情報があれば、ほとんどの場合、同じ判断をする」という考えをもとにプレゼン資料を作成します。例えば、あなたがプレゼンテーションして、社長や役員に反対され、却下されたとします。当然、あなたは納得できません。それはなぜでしょうか。
答えは明らかです。あなたのコミュニケーション、つまり伝え方に改善の余地があるからです。本当に事実を正確かつ客観的に伝えれば、社長や取締役はあなたと同じ判断をするはずです。あなたの意見や恣意的な欲望を交えず、客観的な状況だけをきちんと説明することが重要です。

それでは、どうやって事実を伝え、相手を説得するのでしょうか。説明は具体的でなければなりません。そして、聞き手がすぐに状況をイメージできるような話し方をすることが大切です。
事実を伝えるうえで、最も効果的なのは数字です。その次に、聞き手が常に気にしている事柄、つまり「予算」「損益」「利益」といった経営に関する重要キーワードを示します。
これらの情報を軸に、プレゼンテーションを組み立てていくわけです。プレゼンテーションの構成については、このブログでも何度もお伝えしていますが、基本はワンパターンです。それは、まず、なぜ今このプレゼンテーションをするのかという「目的」を述べます。
次に、その目的に対する結論として「サマリー」を示します。最初に結論を述べることで、これから何を説明するのかを聞き手に理解してもらうのです。そうすると、聞き手は、なぜその結論に至ったのかに興味を持ちます。そこで、聞き手をプレゼンテーションに引きつけるのです。
その後は、QCストーリーで十分です。いわゆるプロブレム・ソルビング・ストーリー、つまり問題解決ストーリーです。流れは、現状、現状分析、問題点、問題の原因、複数の対策案、対策案の選択、今後の計画です。特に重要なのは、現状と現状分析の表現方法、そして複数の対策案を示すことです。

まず、現状と現状分析では、最初に述べたように「数字」を入れます。例えば、半年間のエラーの回数、1年間のゲスト数の減少、過去1年間の販売数量、昨年との比較などです。
数字は、目に見えて具体的なものほどよいでしょう。例えば、売り上げの増減を説明する場合、単に売り上げ全体を示すだけでは不十分です。どの製品、どの部門、どの店舗でどのような変化が起きているのかを必ず示します。
そうすれば、読み手や聞き手が状況をイメージしやすくなります。「前年と比べて売り上げが上がっている」と言われても、具体的な状況は伝わりません。しかし、「銀座店の1階フロアにあるこの商品は、昨年と比べて25%増加している」と説明すれば、聞き手のイメージは大きく広がります。
さらに、「予算」という言葉も重要です。経営陣は常に予算を意識しています。ですから、「この対策を実施すれば売上が増加し、予算を達成できる」「この経費支出が続けば、経費予算を超過し、損益に大きく影響する」といったフレーズを入れます。経営陣は、こうした経営判断に響く重要な言葉に弱いのです。
プレゼンテーションの伝え方については、また改めて詳しく述べたいと思います。さまざまな技術がありますし、現代の環境やリモート時代に合った説明方法もあるのです。これについても、これからブログで皆さんと共有できればと思います。