読み手を意識しない資料作成

仕事では、特に会議で共有する資料について、自分だけが使うメモであればどのように作成しても問題ありません。しかし、その資料を他のメンバーと共有してディスカッションを行う場合は、必ず内容を整理し、「他人に見せても恥ずかしくない書類」に仕上げることが大切です。

最近、手帳を持たず手書きのメモを取らない人が増えていると感じます。手書きメモの良い点は、基本的に自分だけが見るものであり、他人に直接見せる必要がないことです。したがって、そこに書かれている内容を他人に見せる場合は、情報を整理して見せる形に整え直すのが一般的です。


一方で、1人1台のノートパソコンを使いペーパーレス化が進む今、手帳を利用する人はほとんどいません。それ自体は問題ありませんが、自分用に記録した内容をそのまま他人に共有する人をよく見かけます。こうした行動は、読み手にとって内容が理解しづらく、マナーとしても適切とは言えないでしょう。

自分の殴り書きメモをそのまま他人に見せて会議をするのと同じです。たとえば、フォントの大きさがそろっていなかったり、書式が統一されていなかったり、Excelで作成していて見にくかったり、どこを見ればいいか分からない資料もあります。また、文章が途中までだったり、主語や目的語、述語が抜けていたりすると、日本語の意味を解読するのにも時間がかかります。

こう考えると、手書きのメモ帳にも良さがあると改めて感じます。手書きメモをそのまま人に見せて会議に使うことはありません。つまり、メモを取った後で一度「ワンクッション」置き、自分の頭で内容を整理し、改めてデジタルのテキストにまとめ直す作業が必要です。この過程を経ることで、読み手にも分かりやすく、理解しやすい資料になります。あわせて、自分自身の考えもすっきり整理されます。

会議中にノートパソコンでメモを取る人は多いですが、そのこと自体は悪いことではありません。ただし、あとで必ず見直し、「他人に見せられる形」に整え直すべきです。メモしたものをそのまま共有することは、自分の考えが整理できていない証拠であり、自分自身でも要点を把握できていない場合がよくあります。そうした資料を会議などで出されると、他のメンバーは論点が分からず戸惑ってしまうでしょう。

手書きのメモ帳でも構いませんし、デジタルで記録した場合も、必ず一度内容を見返し、自分で整理し直してください。そして、他人に見せても問題ない形に仕上げることが重要です。読み手が負担なく理解できるよう、「箇条書き」などを使って分かりやすくまとめることを心がけましょう。

箇条書きについては以前も触れましたが、頭の中の情報や出来事を、紙面上に分かりやすく整理して可視化する作業です。その際、大項目・中項目・小項目に分類するなど、情報を構造的に整理するスキルが求められます。こうすることで、自分の思考が整うだけでなく、読み手の負担も減らすことができます。

ぜひ、書きっぱなしや打ちっぱなしにせず、必ず一度見返してから他人に見せても恥ずかしくない形に直して会議に出すよう心がけてください。ほんのひと手間をかけるだけで、仕事に対する周囲の信頼感がきっと高まります。